"ハゲあゆメモリアル参" 新しい幕開け 〜novel ver〜 |
10月1日 夏が過ぎた。 そして季節は変わり肌寒い秋が来た・・・ 俺の名前は上杉達哉。 雷神高校3年生だ。 俺は好きな人がいた。 初恋、といってもいいかもしれない。 彼女の名前は"田中 あゆ"。 しかし彼女には俺の親友の"河野 健太"という、彼氏ができたのだ。 「はぁ〜〜〜」 俺はため息をつく・・・ 隣を歩く登校途中で会った健太が話し掛けてくる。 「どうしたんだよ、ため息なんかしてよ。」 (全部お前等のせいだっつーの) しかし当然それは口にしない。 健太の横で携帯をいじっていたあゆがこう言った。 「ため息すると幸せが飛んでいくって言うんだよ。」 ・・・・ (幸せもなにもお前等が付き合ってるからため息がでるんだよ) 二人は付き合っている。 それは変わることのない真実・・・ 学校につき席につくと近寄ってくる男が一人。 「なあなあ、今日転校生くるらしいじゃん。どんなのか知ってるか?」 こいつは"鷹尾 俊哉"。俺の大親友だ。 ・・・大親友は気持ち悪いな。・・・顔見知り・・・ そう、かなり仲のいい顔見知りだ。 「お前の情報網でもわからんのに、俺が知ってるわけないだろ。」 「やっぱそうか、ん〜楽しみだなぁ。」 ガラガラ〜〜 朝のHRをするために担任の教師が入ってきた。 「はよ座われよ〜。」 相変わらず担任は"イエモン"だ。 まあ、何回懲戒免職くらっても復活するタフマンだ。 「え〜今日は突然だが転校生を紹介するぞ〜。」 イエモンに呼ばれ転校生が教室へ入ってくる。 イエモンが黒板に転校生の名前を書く。 『川村 真代』 「じゃあ、自己紹介してくれ。」 「はい、私の名前は川村 真代です。」 (ん?視線を感じる・・・) 教室中が転校生へと視線を向けているのに誰だ・・・? 「おい、すっげー可愛いじゃん!!」 仲のいい顔見知りがジェスチャーで俺に訴えかけている。 なので俺はジェスチャーで返してやる。 「ああ、かなり可愛いな。」 ・・・周りの冷ややかな視線を感じたので目(テレパシー?)で話すとこにした。 「私の事はこれくらいです。」 俺たちが会話している間に自己紹介は終わったようだ。 「じゃあ、川村の席は〜」 男子一同自分の席の近くにしろというテレパシーをイエモンへ向けている。 (どーせ決まってるんだから無駄だっちゅーに) 「席は上杉の横だ。教科書とかまだないから見せてやれ。」 (ほらな。) 「ってエ〜〜〜〜」 転校生はスタスタと歩いてきて俺の隣の席に座った。 「ヨロシクね。」 「あ、ああ、ヨロシク」 俺達が名前など簡単な挨拶を終えたところで一時間目開始のチャイムが鳴った。 HRが終わり転校生を見て、今日は満足とばかりに俺は寝ることにした。 すやすや・・・すやすや・・・ ゆさゆさ 誰かが俺を揺すっている。 (ん〜〜) ゆさゆさ 「んあ〜〜?」 「おい上杉。なにが『んあ〜』だ。」 英語の教師の松岡が俺を注意する。 「え?あれ?いや、なにかクセモノの気配がして。」 「・・・まあいい座れ。」 そして英語の教師は授業を再会する。 「やっと起きた。」 「キミか、俺をゆすってたのは・・・」 「うん、教科書見せてもらおうと思って。」 「ん、ああ。」 俺達は机をひっつけて一つの教科書を見ることにした。 「・・・」 すやすや・・・すやすや・・・ またもや俺は睡魔に襲われて・・・寝た。 「お〜い起きろ〜」 「んあ〜〜〜?」 俊哉に起こされて俺は目をさました。 時計を見ると・・・ 1:00 「昼休み半分終わってじゃん!!」 「今日もお前パンだろ、早く買ってこいよ。」 「ちっ、早く起こせよ!!」 俺はダッシュで購買に向かった。 ・・・・・・・ ・・・・・・・ 『販売人急病のため本日は休み』 「うっそ〜〜!!急病ってなんだよ!!」 俊哉が来て後ろから声をかけてきた。 「あ〜言い忘れてたけど今日閉まってるぞ。」 「言うの遅すぎ・・・」 「ははは」 俊哉は笑いながらその場を離れていった。 ・・・ 「ん〜外に買いに行くか・・・」 そう決意し、俺は近くのローソンへと向かった。 おにぎり3個とジュースをレジに持っていき、500円玉を出してこう言った。 「釣はいらねぇ」 「たりません」 「・・・」 赤っ恥をかき俺は学校へと急いだ。 俺は息をきらしてギリギリなんとか間に合った。 『時間なくて飯食えねぇだろ。』 一般人なら普通そう思うだろう。 (ふっふっふ甘いな。実に甘い。授業中食えばいいのだぁ!!) そう心の中で叫び俺はこっそりと食べ始めた。 「もう授業始まるよ。」 と隣の転校生である川村さんが小声で言う。 「うむ、しかし人は食べなければならない時があるのだ!!」 「はぁ・・・ばれないようにね・・・」 「おう」 「ふう、お腹いっぱいになったし・・・」 すやすや・・・すやすや・・・ 俺は寝ることにした。 ここで豆知識。 午後の睡魔は脳を休ませるためのものなので寝た方がいい。 「お〜い上杉君〜起きなよ〜」 「んあ〜?」 「もう授業もHRも終わったよ〜」 「ん・・・そうか、サンキュ」 ・・・川村さん、一日で馴染んでるなぁ(俺と) 「川村さん、これからどうするの?」 「え?どうして?」 「いや、いっしょに帰ろうかなぁ〜っと思って・・・」 「ごめ〜ん、転校したばっかだから手続きとかあって。」 「あ、そっか。」 「うん、じゃあまた今度誘ってねぇ。」 「おう!!」 ・・・ 「おい、いい感じじゃん川村さんとよ〜」 俊哉が近づいてきて一言。 「ん?そうか?」 「ふっ」 不敵な笑みを浮べ、ポンポンと俺の肩を叩き俊哉は去って行った。 長い一日が過ぎ家路へとつく。 ガチャッ 「タダイマ〜」 って言っても俺は一人暮らし中なので誰の返事も返ってこない。 「はぁ〜疲れた〜TV見るかぁ。」 こうしていろいろあった一日は過ぎていった。 今日が過ぎ明日が今日になろうとしている。 その時 ♪♪♪〜♪♪♪〜♪♪〜 曲はHYの『street story』 「はい、もしもし」 明日は何かある。 今日知らない何かを求めて明日へ行くのだ・・・ E N D |